終身雇用が崩壊した後の日本で、我々はどうすれば生き残っていけるのか

ビジネス

トヨタ自動車の会長の「終身雇用を守ることは難しい」という発言が、連日話題になっています。

終身雇用の崩壊を嘆く人もいれば、逆に喜ぶ人もいて、色々な考え方があるな、と思います。
私は終身雇用がなくなっても生き残っていけるなと思っている側の人間なので、今回は私が考えている「就寝雇用が崩壊した後の日本で生き残っていくための方法」を書いてみようと思います。

下記の流れで説明していきます。

・終身雇用とは何なのか
・終身雇用がなくなると、世の中はどう変わるのか
・終身雇用がなくなった後、我々はどのように生きていくべきなのか
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終身雇用の歴史

1900〜1910年頃、熟練工の市場価値は高く、よりよい賃金を求めて短期離職を繰り返す行為が横行していました。
当時、同じ会社で5年以上働く熟練工は1割程度だったとも言われています。
(なんだか現在のWeb業界と似ていますね・・・)

熟練工の短期離職によって発生するコストは小さいものではありません。
そのため、会社は腕の高い熟練工に長く働いてもらうための施策を打たなければなりませんでした。

一番手っ取り早いのは、引き抜こうとする他社よりも高い賃金を与えることですが、より高い賃金を他社に提示されてしまえば、永遠にいたちごっこです。

そこで、経営者は考え方を変えました。
賃金ではなく、「定期昇給」「退職金」「雇用の保障」といった長期就業によるインセンティブを用意することで熟練工に長く働いてもらおうとしたのが、終身雇用の始まりです。

つまり、終身雇用は、もともと「会社に守ってもらって生きるための労働者の権利」ではなく、「会社に守られなくても生きていける労働者を手放さないための、経営者の戦略」だったのです。

終身雇用がなくなった後、どうなるか

上記の歴史も踏まえて、終身雇用の特徴を箇条書きで整理します。

・退職金
・定期昇給
・年功序列賃金
・雇用の保障

終身雇用が崩壊するということは、これらが全てなくなるということです。
現実には、もうこれらがなくなっている企業も多くなってきた気がしますが・・・。

当然、景気が悪くなったら解雇される可能性が今よりも圧倒的に高くなりますし、成果が出せなければ減給・賞与カットが今よりもやりやすくなります。
退職金もなくなり、代わりに会社に必要な人材にどっさり給料が支払われる世の中になっていくでしょう。

実際、IT業界では終身雇用の崩壊と言う点では他の業界より一歩先を行っている会社が多いなと感じます。
IT業界では年功序列・退職金がない会社が多い一方で、実力があるITエンジニアは20代であっても月50万以上の給料を普通に受け取ったりしています。

終身雇用が崩壊したあとも生き残っていくために必要なこと

結論から言うと、会社に守ってもらって生きていくという意識を捨て、「需要のあるスキル」を身に着け続けることだと私は思っています。
ただし、何が需要のあるスキルかは誰も教えてくれないので、自分で考えるしかないです。

そう言う意味では、「需要を知るための思考」「需要のあるスキルを身に着けるための行動」がセットで必要になり、シンプルにまとめると「思考+行動」の継続が必要ということになります。

以上です。

・・・とここで終わってしまうと、自分で考えるしかない、投げやりすぎるので、私が常に考えている「需要のあるスキルかどうか」を判断する基準をこれからお伝えしていきます。

需要のあるスキルを判定する基準

需要のあるスキルかどうかを考えるとき、「再現性」「汎用性」「希少性」の3点が重要なキーワードになると私は考えていてます。

・再現性:別の会社でも同じ成果が実現できるスキルであること
・汎用性:業界内で統一された手法に則ったスキルであること
・希少性:供給を上回る需要があるスキルであること

全部ないといけない、というわけではなく、総合判断です。

具体例として「コンビニのアルバイト」「営業職」「ITエンジニア」の3つを挙げてみますので、あなたのスキルと照らし合わせながら考えてみてください。

コンビニのアルバイト

レジ打ちや品出しなどの仕事はマニュアルが整備されており、マニュアルの内容はコンビニ各社でも大きくは変わらないです。
再現性と汎用性は高いのですが、習得のハードルという点で見ると高いとは言えず、極端に言えば誰でもできる仕事です。
そのため、レジ打ちと品出しできないコンビニ店員であれば希少性が低く、需要のあるスキルかとは言えないと思います。

営業職

営業職の場合、営業のやり方はそれぞれなので、需要のあるスキルといえるかも人それぞれです。

会社の看板がなければモノが売れない程度の営業スキルであれば、他社では通用するとはいえないため再現性は微妙でしょう。

しかし、たとえばベンチャー企業で会社も商品も知名度も全くない状況で、ターゲットや戦略、目標とする売上を具体的に設定し、その通りに売上を達成するというプロセスを何度も成功させている人であればどうでしょうか?

これは会社としての看板がない状態でも再現性が高いということで、非常に需要が高いスキルです。
誰でもできるわけではないので、希少性も高く、終身雇用に頼らなくても十分生きていける人と言えるでしょう。

IT業界のエンジニア

ITエンジニアはまだまだ需要がありますが、「ITエンジニアである=需要がある」は完全に間違いです。
設計書があればプログラミングができる、だけのスキルであれば、そのようなエンジニアはたくさんいるので希少性はあまりありません。

一方で、お客さんと話しながらシステムに必要な要件を整理して設計に起こすことができる人や、Webサービスをインフラ構築からアプリケーション開発、ローンチまで全部できる人であれば。希少性が高く需要が高いスキルを持っているといえます。
また、プログラミングであっても、業界で広く使われているフレームワークの知見や開発経験は、それ自体が汎用性の高いスキルになります。

ITエンジニアの場合はスキルの幅を広げることで、再現性・汎用性・希少性を同時に上げることができます。

選択肢のひとつとしてIT業界への転身もおすすめ

ここまで読んで、あなたが培ってきたスキルは「需要のあるスキル」と自信を持って言えそうですか?

私自信、IT業界の人間だからこそ思うのですが、「終身雇用の歴史」の項で書いた「熟練工」が、まさに現代のITエンジニアだと思っています。

IT業界で必要な仕事である「プロジェクト管理」や「要件定義」、「プログラミング」といったスキルは、きちんと勉強して実践すれば会社が変わっても再現性があるスキルですし、できる人も限られているので希少性も高いです。
もちろん業務外で勉強が必要なこともありますが、業務それ自体がスキルの積み上げに繋がるのでコスパも高いです。

私の周りのプログラマーも、同じ20代でありながら月収50万円以上稼いでいる人がごろごろいますし、転職するたびに100万円以上年収が上がっている人もざらにいます。
そういうのを横目に見ていても、まだまだ需要が高いスキルだなと思いますよ。

需要のあるスキルがわからないのであれば、IT業界について調べてみるのもひとつです。
もちろん、IT業界以外にも需要のあるスキルは色々あるはずなので、調べたり考えたりしてみましょう。

まとめ

いろいろ書きましたが、世の中の基本原理は需要と供給なので、需要のあるスキルを身につけてさえいれば、終身雇用が崩壊した後の世界でも生き残ることはそんなに難しいことではないなと思っています。

本当に大切なのは、単にスキルを追い続けることではなく、今自分が持っているスキル、身に着けようとしているスキルが今後も需要があるのか考え続けることです。
そのためには世の中の流れやトレンドを追い、そこから自分で考える必要があります。
考えた結果今のままではダメだと思えば、行動を変えるなど決断が必要になります。

これは決して楽ではありませんが、慣れてしまえば習慣化しますし、結局「思考+行動」を続けてスキルをアップデートし続けていくことが、終身雇用がなくなった世の中を最も楽に生き残る方法なのかなと思っています。

スキルがないなら身につければいいんです。

会社に守ってもらいながら生きる、という思考は捨てて、スキルを身につけていきましょう。

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