こんにちは。「てと」と申します。
経営者の皆様、会社のIT環境に投資をしていますか?
ビジネスマンの皆様、会社のIT環境に満足していますか?
今回は、会社のIT環境の中でも、仕事用のパソコンはきちんとお金をかけて使いやすいものを支給したほうがよいメリットについて、
実際に会社の中で働く一従業員としての私見も交えつつ、書いていきたいと思います。
【2019/7/6追記】
具体的な仕事用のパソコン選びの基準とおすすめ機種については、下記の記事に書いておりますので、こちらも合わせてどうぞ。
目次
前書き:なぜこの記事を書こうと思ったか
私がIT業界にいるからというのもありますが、最近、会社のIT環境に対する考え方を社内・社外問わず、色々な人から聞くことが増えました。
オフィスのIT環境といえば、クラウドフォルダ、ソフトの充実度、共用プリンタ、社内ネットワークなどなど、観点は色々あるかと思いますが、やっぱり一番IT環境を左右するのはパソコン本体だと思います。
パソコン自体安いものではないし、バブリーな時代ならともかく、今は抑えられる経費はできる限り抑えていきたいというのが一般的な企業のメジャーな考え方なのではないでしょうか。
経営者としても、社内システム管理者としても、パソコンの費用は安く済ませられるなら、そうするべきと考えるものかと思います。
しかし、私はあくまで、仕事用のパソコンにはきちんとお金をかけてほしい、そうするメリットは確実にあると思っており、そのことを少しでも多くの人に共感してほしいと思います。
この記事の対象としているのは、すべての企業というよりかは、仕事の内容がパソコンにある程度依存している職種の企業に限られます。
本記事は経営者に対するメリットという前提で書いていますが、経営者の方だけでなく、パソコンを経費で購入予定のビジネスマンにも読んでいただきたい内容です。
愛社精神の醸成、従業員満足度の向上、優秀な人材確保のため
支給パソコンから自社のIT投資に対する考え方を評価している
私の経験則からですが、支給されるパソコンで、会社がきちんとIT環境への投資を通して従業員に投資をしているか、また今の時代のビジネスに対するIT環境の影響をきちんと把握しているか、を判断して従業員は少なくないと思っています。
特に経営目線を持っている優秀なビジネスマンなら、なおのことです。
私はよく社外の打合せに行きます。
そして打合せ後の雑談で、自社IT環境の話になることがあるのですが、そこで聞くことになるのは、大体が支給パソコンやIT環境に対する愚痴です。
自社のIT環境にそこそこ満足している人は、社外の人にそのような話題を振ることはあまりありません。愚痴を言いたいから、話題を振るのです。
ちなみに、私がこれまで聞いてきた愚痴は、下記のようなものがあります。
・ディスプレイが2枚支給されないから、効率が悪い。
・打ち合わせ用のノートパソコンを支給してもらえないから、仕方なく自前のノートパソコンを持ち込んで使っている。
・社内のネットワークが遅いせいで、調べ物に時間がかかる。
・型遅れのノートパソコンなので、社外の人と打ち合わせをするのが恥ずかしい。
・ブラウザと開発ソフト両方開くと動作が不安定になる。とてもITの会社とは思えない。
そして、エスカレートすると「うちの会社はIT投資のこと何も考えてないわ(笑)」と愚痴を言われるようになっていきます。
こんな状態では、愛社精神なんて養われませんし、パソコンが使いにくいばかりに従業員満足度が頭打ちなんて、勿体ないと思いませんか?
実際には、経営層は十分に考えた上でIT投資コストを決定していることでしょうが、
従業員にとっては、現状のIT環境の結果が全てなのです。
また、こうした評価は絶対評価の側面がある一方で、相対評価の側面もあります。
例えば社外の人と接する機会の多い人は、社外の人が支給されているパソコンを見て、「きちんとしたものを支給されていて羨ましい。あの会社の経営層は、弊社よりもIT環境に対して投資をしっかりしているんだな」と判断します。
そして、その会社のIT投資を羨ましがると同時に嫉妬し、自社に対する満足度が無意識のうちに下がっていきます。
そうなると、他社へ人材が流出していくことに繋がりかねません。
もちろん家庭や社会的地位などがありますから、そう簡単に転職はされないと思います。
しかし、優秀な人材というのは、経営者の見えない色々ところで、実は声をかけられているものです。
他に転職したい理由がある場合や、競合会社からヘッドハンティングされた場合、その背中を押す一助とは十分になりえます。
優秀な人材確保につながる
先ほど記述した内容と逆のことです。
快適な職場環境というのは、それだけで求職者にとって魅力的なものです。
そして、仕事内容がパソコンに依存すればするものであるほど、仕事用のパソコンがしっかりしていることは、会社を選ぶ理由のひとつとなりえます。
それを裏付けるように、特にWeb系を筆頭とするIT企業では、支給パソコンへの投資を自社の「売り」として、求職者にアピールする傾向が強くなってきています。
私の知っている一例を下記に紹介します。
・いつでも好きなときに新しいモデルのPCに変更できる(株式会社メルカリ)
・全ての従業員が使用するパソコンにメモリ32GBを搭載している(サイボウズ株式会社)
・仕事用のパソコンは、好きなものを選べる(Freee株式会社)
私がエンジニアだからというのもあるかもしれないですが、上記3社のやり方は求職者へのアピールは強いと思います。
もちろん仕事内容や年収などが希望通りである上のオプションとしてですが、上記のような売りがある会社とない会社なら、私は確実にあるほうを選びます。
特に、Freeeの好きなものを選べるというのはかなり強いです。
Freeeの人に直接話を聞いたわけではないので、どこまで自由なのかはわかりませんが、VAIO ZやVAIO S11のハイエンドモデルで仕事ができるなら、私はかなり心が揺れてしまうと思います。
また、上記サイボウズのリンク先にて、情報システム部の運用本部長が語っている内容のうち、なるほどと思ったのが下記です。
エンジニアをリファラル採用するケースが増えてきましたが、自社エンジニアはある意味、広告宣伝塔。満足度を上げられれば、優秀な他社のエンジニアを快く誘ってもらえます。自慢したくなるほどの環境を用意することが重要なんですね。
確かに、私も自社の職場環境、IT環境がよいものであれば、きっと他社の友人や仕事仲間にも自慢します。
それで羨ましがってきたら、「だったら、うちに転職しちゃう?」と声をかけてしまうでしょう。
実際、上記に記載した3社の売りは、かなりすごいものだと思います。
しかし、ここまででなくても、入社前にパソコンの種類を希望できたり、ハイスペックなパソコンの支給、ディスプレイ2~3枚の支給などをを確約しますと採用ページに公言している企業は増えており、いずれも優秀な人材の確保を目的として求職者へ訴求するためのものだと言えます。
仕事の成果に大きな差がつくため
1人あたり年間19日もの差が生まれるという検証結果もある
よいパソコンを使った場合と、そうでないパソコンを使った場合の差は、見た目上はほとんど分かりません。
そして、その分からないことに高いコストをかける意味はあるのか、というのが一般的な考え方だと思います。
しかし、使いにくいパソコンは、実際にはかなりの時間を奪っています。
スペックが足りないことによって、都度作業を中断して不要なプログラムを閉じたり、応答を待っている間に待ち時間が発生してしまったり、そんな些細なことでも、塵も積もれば何とやら。
私の体感だけでなく、下記のような検証結果記事もあるぐらいです。
時代遅れで動きの遅い「会社支給のPC」は、年間19日分の仕事時間を奪っている
「年間19日分」って、お金に換算するとどのぐらいの差?計算してみると
先ほどの年間19日分って、計算してみるとかなりの差ですよ。読んでもらえばわかりますが、「従業員1人あたり」19日間ですからね。
仮に1日の所定労働時間が8時間だとすると、8×19=152時間となり、1人あたり年間152時間分も成果に差が出るということになります。
仮に、この152時間分の成果の差を、残業させることによって埋めると考えた場合、とんでもない数字になります。
残業代が1時間あたり2000円だとした場合、152時間×2000円=30.4万円。
仮に従業員が300人いる会社なら、9120万円分もの残業代が必要となります。
そして、かなり単純に考えると、従業員全員に30万円のパソコンを支給したとしても、年間で余計に払う30.4万円分の残業がなくなることを考えたら、1年目でペイできてしまいます。
そして2年目からは、従業員1人あたり30万円分、従業員300人の会社なら上述の計算により9120万円、コストを浮かせることができる計算になります。
あくまで単純計算ですが、会社のパソコンを刷新するだけでこれだけ経費が削減できるなら・・・とは思いませんか?
成果を上げる上で重要なモチベーションと集中力に差がつく
あまり長時間労働を推進するのもブラックなのでよくないのですが、あえてそれを公言した上でここからは書きます。
上記の検証結果もありますが、私の体感としても、仕事の道具に不満を感じながら仕事をするのと、仕事の道具に「快」を感じながら仕事をするのは、集中力とモチベーションにかなりの差があると思っています。
一種のプラシーボ効果に近いかもしれませんが、集中力とモチベーションがあれば、多少の無理も効きますし、仕事の効率も上がるものです。
例えば、「パソコン使いづらいから集中力が上がらない。定時だ。疲れたし続きは明日でいいや。」となるのと、「パソコンが使いやすいから集中力が続く。まだ頑張れそうだし、残業して仕事全部片づけてしまおう。」となるのでは、毎日の積み重ねで明らかに後者のほうが成果を上げられますよね。
使いにくいIT環境での仕事は、集中力、モチベーションが続きにくいのは私個人の体験としても事実だと思いますし、脳波センサーを用いた下記のような検証によっても実証されています。
「脳波」は正直? ヒトは“遅いPC”でどれだけストレスがたまるのか はあちゅうが脳波センサーで実験してみた
これだけストレスがかかっているとなれば、従業員個人としてのモチベーションも下がり、それが会社全体の空気として蔓延してしまします。
まとめ
今回はパソコンに投資をする、すなわち従業員に対してよいパソコンを支給することのメリットについて書きました。
もちろん、各企業でコストとリターンを天秤にかけた結果が、今の各企業のIT環境だというのは、分かったうえで書いていますし、
全社員に対して、いいパソコンを一気に支給するというのはリスクもかなり大きいと思います。
それでも、やはり上記のような経験から、いいパソコンを支給するメリットはあると思っていますので、今回この記事を書きました。
しかし、そもそも「いいパソコン」とは何でしょうか?
本当はそれについても書きたかったのですが、何をもって「いいパソコン」となるかは、業種・職種・使用目的によって全く異なりますので、記事を分けてしっかり書いたほうがよいかと思いましたので、次回書きたいと思います。
【2019/7/6追記】
下記の記事に仕事用として使いやすいパソコンについて書きました。
会社支給のパソコンを検討している経営者の方、業務に耐えうるパソコンを購入しようと考えている方の参考になればと思います。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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